とある明確な事情で
私は喪服を着て、
東京行き搭乗口のソファーで
朝日新聞を読みながら
揚げホルモンをボリボリたべていました。
かつて
いつも厳しく
「したい事を一番にするのではなく、しなければならない事を一番にしなさい。あなたの優先順位は間違ってる。そんなやつは仕事もできん。」と、家人に言われ続けたことをふと思い出していました。
もう、その家人もいないので、
私は自由にしたい事をしているな。と、改めて思ったのです。
揚げホルモンを売店で見つけ、
一刻もはやく食べたいという欲望に従ってボリボリといわせていたからです。
「そんな奴は仕事ができん」というフレーズがリフレインして
時々は正しい優先順位を選択できた事もあるけれど
スーパーで買ったお菓子を
すぐに開封して、車の中で食べながら帰ったり
しなければいけないことを残したまま寝てしまったりと、
相変わらず欲望をコントロール出来ないままの方が多い生活を送っています。
仕事でご迷惑をおかけするのは
申し訳ないけれど、
私生活において
誰にも迷惑をかけない
ただ
だらしないだけの私であるなら、
もう私を許そう。
そうだそうしようと、
羽田空港の北九州行き搭乗口の
マッサージチェアに座って
コカコーラを飲みながら決めたのです。