souan-1969のブログ

熱しやすく冷めやすいままで生きていく

優しくなりたい①

二年前のこと。

うちの母は

コロナ禍以前には毎年海外旅行に出かけ

やれエアーズロックに登ったの

カッパドギアを見に行ったのと

話していたため

随分と健脚なんだと思い

長じて初めて一緒に旅行することになった京都旅行で

“まち歩きツアー”なるものに参加することにした。

京都らしい狭い町屋の路地を

ガイドさんに説明を受けながら

3キロ程歩くというものだったし、本人も大丈夫という。

 

当日は、ガイドさんも年配で、

他の2名の参加者も妙齢の女性であり、のんびりしたものであったが

結局、母は1キロも歩かないうちに

疲れきってしまい

道路のなんてことない段差につまづいて転倒し

ツアーを離脱。

その後すっかり気力をなくし

ホテルに引きこもってしまった。

一緒に旅行したのは

それこそ何十年振りのことであり

この母の衰えぶりに驚くと同時に

苛立ちも覚えた。

楽しみにしていた食事も

「いけん(食欲がないの方言)。コンビニのおにぎりでいい」といわれ

一緒に京都に来たことを心底後悔した。(鬼畜)

 

私は昔からこういう冷たいところがある。

しかし、こんなに衰えているのを知っていたら

少なくとも京都は選択しなかった。

もっと近場の温泉からトライしたと思うなどと考え

私自身、京都旅行を楽しみにしていたこともあり

母の心配と旅行を楽しめなくなった苛立ちと

旅行の計画に対する後悔と

母から聞くハツラツとした自分の姿と現実のギャップなどが入り混じって

母にきつくしてしまったことを思い出す。

京都は

当時大学生だった子どもが住んでいたため

様子見がてらの旅行先だった。

 

こんな私からは考えられなほど

こどもは優しい。心底母を心配しており

一緒に行くようにしていた食事をキャンセルしても

「当然だ。」という。

まったく、同じ血が流れているのだろうか。

私は子どもの爪の垢どころか

全身を舐め回すように育てたのに

その優しさのカケラさえない気がしていた。

 

ということがあって

今回、再びGO TOキャンペーンを利用し

母と遠出をすることにした。

出発も、到着もゆっくり時間をとった。

3泊4日の旅行に

スケジュールは1個だけにして

徹底的に無理をしないことにした。

そして、私は“人としての修行を積むんだ”と言い聞かせて

再び、こどもに会うためにに旅立った。

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