小倉城内で
夜
竹灯りのみゆらめく
小さな野外ステージで聴く
先住民の楽器は
森のざわめきや
フクロウの声
かすかな遠吠えまで聞こえるような音だった。
小さな女の子がお母さんの手を引いて、最前列に座って
聞き入っていたけれど
あの女の子は
どんな風景をみていたのかな。
観たいと思っていた
映画「蜜蜂と遠雷」の
上映本数がどんどん減っていく中、
もう今日しかないと
起きぬけに意を決し
朝一本だけ上映していた映画館に観に行った。
とっても美しい映画だった。
原作を読んで観れば、
完成する。
文章でひようげんされた音楽や音が
素晴らしかった小説
音にまつわるものがたりを
画であらわした映画。
映画館で観れてよかった。
配役の全てがよかった。
スパイスみたいな
効いていた。
音楽に素養がなくて
本当に残念。
だけど
あの女の子のように
音をきいて
自分なりの風景を感じるだけでも
充分な気がする。
そんな好きがあってもいいよね。