天高く馬肥ゆる秋
天が高いって
すごい表現だ。
ちょっと寒いくらいの気候が
すがすがしい。
そんな秋は、
観劇とコンサートを
ぎゅうぎゅうに詰め込んで
大満足だ。
高橋真梨子ラストコンサートのお誘いを受けたので行ってみた。高橋真梨子はちょっと上の年代だか、知っている曲はいくつもある。ラストコンサートならヒット曲のオンパレードに違いないと思っていたが、はたしてそうであった。
初めての東京国際フォーラム大ホール5000席(!?)は超満員である。
私は2階席で、限りなく上の方であったが、座席は勾配が強めですごく観やすい(前の人の頭が私のお腹くらいの段差がある。)
後ろから眺める観客の後頭部は、年月を感じさせるものであった。
高橋真梨子が5000人を集める歌い手であることも驚いたが、歌い出しからの圧巻の声量に度肝を抜かれた。
そして、ヒット曲の大盤振る舞い。アンコールで歌うと予想してたあの曲も、あの曲も、オープニングから連チャン披露だ。
コンサート前の予習のためにAlexaで高橋真梨子の楽曲を聞いていたら、私へのオススメに演歌がかかるようになった。演歌を聴く年代はいつなんだろうと思っていたが、ふいに流れるようになった演歌が、BGM として心地よいことを発見した。元気な楽曲が段々うるさく感じてきていたことは事実だ。
それは置いておいて、真梨子の歌は、ヒット曲なので知っているけれど、歌詞については『どういうシチュエーション!?』と思うものが多い。
マリーだのジョニーだの
そこはどこなの?どこに旅立つの?というものから
『for you 』や『ごめんね』等の
決して万人が投影できるような状況ではないような情念の歌。
聴きいる面々は、
真梨子の素晴らしい歌声に相まって
自分が選択しなかった、あるいは得られなかったドラマチックな人生を感じているのだろうか。もしくは、これが流行っていた時代は、大人には、こういうドラマが溢れていたのか?
または、歌詞ではなくて
この曲が流行っていた頃の
自分を思い出すのかもしれない。(わたしはこれ)確かに私もカラオケで『あなたがほしい~』と歌っていた頃を思い出した。ただし、私の場合は物を知らない能天気な時代であり、思い出も郷愁を帯びてはいない。
それにしても、とってもステキなコンサートだった。入場も退場もなんだかのんびりしていて、手を繋ないでいる人も多い。韓国イテウォンの事故があった後でもあるため、主催者側の慎重な対応を感じたが、実際の話足腰が悪そうな方がたくさんだったこともある。
私もいつまでも、こうして出かけることができるようでいたい。
経済的にも、体力的にも。
こんな声量で歌えるのに
ツアーは最後とは。
先輩たちは
カッコいい後ろ姿を見せてくれる。
私も人生の下山を考えよう。